勉強が苦手|みずはらクリニック|近鉄大久保駅前の児童精神科・精神科・心療内科

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勉強が苦手

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勉強が苦手な理由はさまざま

勉強が苦手な理由はさまざま

 こどもの発達が心配になって受診を考える理由として、学校の勉強が苦手でついていくのが難しいということはよくあります。学校という環境で、こども達が取り組むべき課題はたくさんありますが、確かに勉強はとても重要な課題の一つです。こども自身も勉強が苦手だと学校が楽しくなくて、行きたくなくなってしまうことはあるでしょう。ただ、勉強が苦手といっても苦手な理由は医学的に色々と考えられるので、どうして苦手なのかをよく観察したり調べたりして、適切な対応を考えていくことが大切です。

知的障害

 勉強が苦手な場合、まずはじめに考えなければならないのは、知的な遅れがあるかもしれないということです。知的な遅れというのは、生まれつき認知能力の発達がゆっくりであるということで、医学的にはいわゆるIQ(知能指数)を測ることで調べることができます。IQを測る検査はいくつかありますが、こどもの知能検査として最もよく使われているのはWISC(ウェクスラー式知能検査)と呼ばれる検査です。WISCではIQが100を平均として、おおよそ85から115の範囲を標準と定めています。そしてIQが70未満の場合に知的な遅れがあると判断します。

 この場合、勉強も含めた社会生活において様々な支援が必要になってくるため、療育手帳という手帳を取得する基準にもなっています。70から85の間のスコアである場合は、いわゆる「境界知能」と呼ばれるもので、実際には通常学級での勉強に難しさを感じてしまうことがあります。そのため、発達について考えていく場合に、まずIQを検査で調べることはとても重要です。しかしIQが全てというわけではありません。

注意欠如・多動症(ADHD)

 知的な遅れが全くないか、あるいはむしろ知的な発達が進んでいるこどもでも、勉強が苦手なことがあります。この場合、次に考えなければならないのはADHDの特性はないかということです。ADHDのこどもには、不注意・多動・衝動性といった特性がみられます。特に興味のないことについては集中できない、気が散ってしまう、落ち着いて椅子に座っていられない、立ち歩いて教室を出て行ってしまう、カッとなりやすかったり、思いついたことを後先考えずに、すぐに行動にしてしまう、といったことが観察されます。

 知的な遅れがなくても、そもそも集中することが難しいと、やはり学校の授業を集中して受けることができなかったり、先生や人の話をきちんと聴けていなかったりして、勉強についていけなくなってしまいます。他にも面倒な事務作業が嫌いなので、連絡帳をちゃんと書いてこなかったり、机の中でプリントがぐちゃぐちゃになってしまったりします。次に出てくる学習症ではないですが、文字を書くことも面倒に感じて、とても乱雑で読みにくい字を書いてしまうことがあります。

自閉スペクトラム症(ASD)

 自閉スペクトラム症のこどもは、コミュニケーションが苦手で、相手の気持ちが分かりにくく、こだわりが強かったり、自分の好きなことにしか興味が持てなかったりします。また、興味の持ち方も独特で、人とは違っていることがよくあります。こういった特性を持っているこどもは、自分が興味のない学校の勉強に取り組むことができず、勉強が苦手になってしまうことがあります。ただ興味のある教科についてはとても詳しかったり、大人よりもよく理解していたりすることがあります。先に説明したWISCの検査をとってみると、検査内でも得意な領域と不得意な領域の差が極端に激しいことなどが、特徴の一つとしてみられます。学校の勉強は、多くのこどもにとって、「平均的」な水準に合わせられているため、得意不得意の激しい自閉スペクトラム症のこどもは、自分にとってはとても取り組みにくい課題に直面してしまったり、逆に課題が簡単すぎてものたりないと感じてしまうことがあります。

学習症(LD)

 学習症というのは知的な遅れはないにもかかわらず、読み書きや計算など、勉強に関わる特定の能力だけがとても苦手であるというものです。最もよく見られるのは読み書きの苦手さで、読字障害や書字障害と言われたりします。こういったこどもの場合、クイズのように問題を読み上げてあげるとすらすらと答えることができるのに、テストのように問題文を読んで答えを書いて答えるという方法になると急に点数が取れなくなってしまいます。読むのも書くのも両方苦手な子もいれば、書くことだけがどうしても苦手という場合もあります。書字の障害の場合は、漢字が苦手なことが多く、「へん」と「つくり」がひっくり返ってしまったり、書き順がバラバラになってしまったりすることがよくあります。文字を「字」として認識できず、絵のように捉えてしまっているので、なかなか覚えられないことがあります。漢字テストなど、読み書き自体が評価の対象になっていない科目については、口頭で回答することや、タブレットを使用することを認めてあげるなど、合理的な配慮をしてあげることが重要です。