集中できない・忘れっぽい|みずはらクリニック|近鉄大久保駅前の児童精神科・精神科・心療内科

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集中できない・忘れっぽい

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集中できない・忘れ物が多いのはADHDかもしれない

集中できない・忘れ物が多いのはADHDかもしれない

 学校や家庭生活で困ってしまうことの理由の一つに、集中できない・忘れ物が多いと言った不注意に関する特性の問題があります。こういったこどもは、怒りっぽくてカッとなって手が出てしまう、落ち着きがなくていつも体のどこかが動いている、椅子にじっと座っていられないといった多動や衝動性の問題も合わせて持っていることがあります。このような不注意・多動・衝動性のために学校や家庭生活に支障をきたしている場合、ADHDと診断できることがあります。

 不注意や忘れっぽさの原因は、物事に集中するという脳の回路が、典型的な発達のこどもに比べてまだうまく働かないということが原因です。思いついたらすぐに行動してしまうという衝動性の問題は、しばらくがまんして待っておいた方がより良い結果が得られる、よりたくさんの報酬が得られるというように考えるための「報酬系」と言われる脳の回路がうまく働いていないことが原因ではないかと考えられています。他にも、こういった特性を持っているこどもは、いろんなことを並行して進めていったり、うまく段取りをして課題をこなしたりする「実行機能」と呼ばれる能力に関わることが苦手な場合も多いです。

 不注意の問題だけなら、確かに本人は勉強や家庭生活で困ってしまうものの、友達とトラブルになることはあまりありません。しかし逆にそのせいで特性に気づかず、自分だけで困ってしまっていることもよくあります。もともと性格がおとなしい女の子の場合は、ときどきそのようなことがあります。逆に衝動性も強い男の子の場合は、すぐに喧嘩になってしまうので特性に気づかれやすいといえます。いずれにしても、ちゃんと理解できているはずなのにやるべきことがやれていないということで、先生や親に叱られてしまうことが多くなり、「自分はダメな子なんだ」と、自分のことを否定的に捉えてしまうようになってしまったり、「怒られるのは嫌だ」と思って嘘をつくようになってしまうことが多くなります。このような事態は一番避けなければならないことです。

 幸い、ADHDにはその特性である不注意・多動・衝動性自体を改善するお薬があります。特性のせいで自尊心が下がってしまっているような場合は、お薬での治療も考えなければなりません。もちろん周囲の大人が本人の特性をよく理解してあげて、本人が集中しやすい環境を作ってあげることなど、環境調整を行うことが先決ですが、それでもうまくいかない場合は、きちんとお薬を使うということもとても重要です。視力が落ちて、眼鏡をかければ良く見えてわかるようになるのに、眼鏡をかけずに頑張らせているような状態になってはいけません。

 しかしこどもにお薬を飲ませるのは、どの親にとってもあまり嬉しいことではないでしょう。特に一度飲み始めるとやめられなくなって、ずっと飲み続けることになってしまうのではないかと心配される方が多いです。ただ、意外にADHDに対するお薬の治療は、ずっと続けなければならないことは少ないです。なぜならこどもは成長するので、徐々に自分で自分の特性を理解して、不注意に対してはメモを取ったり、スマホで予定を管理したりできるようになって、困ることが少なくなってくるからです。さらに多動や衝動性は年齢が上がるにつれて自然と落ち着いてくることが多いです。典型的な発達のこどもでも、こどもは大人よりみんな不注意で多動で衝動的ですが、大人になると次第に落ち着いていきますね。これはADHDのこどもでも例外ではありません。確かに他の人に比べると不注意な傾向は残ることが多いですか、仕事や社会生活で困らなければ、薬を飲み続けたり病院に通い続けたりすることも必要なくなります。